ドイツの新しいUPC法案に対し2件の憲法上の申し立て

ドイツの新しいUPC法案に対し2件の憲法上の申し立て

2020年12月22日

ドイツ連邦憲法裁判所(Bundesverfassungsgericht-BVerfG)は、ドイツが統一特許裁判所(UPC)協定と暫定適用に関する議定書の批准を可能にする法案に対し、先週金曜日に憲法上の異議申し立てが2件(ケース2 BvR2216/20および2BvR 2217/20)提出されたと報道機関に通知しました (こちら と こちらを参照)。こちらで報告されているとおり、同日にドイツ連邦参議院は同法案を承認しましたが、発効に至るまでにはさらなるステップを踏む必要があります。申し立ての理由も申立人が誰かも不明ですが、2020年3月に、必要な多数の賛成票でもって連邦議会で可決されたものではないという前回の法案に対する申し立てを支持した際、BVerfGはその他の理由に対する判決は下していませんでした (こちらを参照)。

EU法の優位性を確立するUPC協定の規定が、基本法(ドイツ憲法)に違反しているというのが、憲法上の申し立ての潜在的な理由の1つです。その理由は以前は考慮されませんでしたが、フーバー担当判事のコメントが、考慮されることを示唆しています。 FAZ の報告によれば (こちら) 、フーバー判事は2020年5月に担当した欧州中央銀行(ECB)の訴訟においてドイツ連邦憲法裁判所が下した判決について言及しました。また、FAZ誌の「欧州委員会は違反手続きの調査を進めています。それは避けられないことですか?」という質問に対し、フーバー判事は次のように述べています。「決して避けられないことではありません。むしろ委員会はこれに関し裁量権を持っています。この裁量権の行使に際し、加盟国の憲法に対するEU法の制限なき優越性(CJEUはこれを認めている)が存在するとしたら、ドイツやその他ほとんどのEU加盟国はEU加盟を許されなかったであろうことに留意すべきです。我々は、統一裁判所をめぐる1月の判決において、改めてこの点を明白にしました。」

BVerfGへの申し立てがUPCプロジェクトにどのような影響を与えるかは依然として不明瞭です。BVerfGは、前回同様申し立てを検討している間、大統領に法律への署名を控えるよう求めることができます。 BVerfGが申し立てをすみやかに棄却せず、前回のように決定を下すのにかなりの時間を要し、それに伴いUPCプロジェクトが遅れをきたす場合は、ドイツおよびその他の参加国がプロジェクトを粘り強く推進しようとする政治的意思が継続しない可能性があります。

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